2012年7月16日月曜日

【調べてみた】無線LANの干渉に関して

無線LANの干渉に関して知る機会がありましたので書いてみます。




無線LANとはその名の通り、無線通信を介してデータ送受信を行うローカル・エリア・ネットワークです。無縁LAN=Wi-Fi、って思っている方も多いようですが、Wi-Fiと呼ばれているのは「Wi-Fi Alliance」という業界団体が機器間の相互接続性を認証しましたよって認めたブランド名です。なのでWi-Fi CERTIFIEDのロゴがついている機器はお互いに接続可能ですよって証なのです(とは言え昔は繋がらないことなんてザラでしたけどねw)
これのお陰で無線LANが普及したといっても良いので、Wi-Fiが無線LANの代名詞のごとく使われるようになった訳ですね。

今やルータを買おうにも有線のみのそれを見かけることはなく、無線付きが前提となっています。我が家もルータを「100BASE-T」から「1000BASE-T」に買い換える時に(自動的に)無線LANも導入となりました。当時PCオンリーだったので有線LANが安定していて速度も出るのであまり出番もなかったのですが、モバイル機器を使い始めてこのありがたみを知ることとなりました。なんせ、LAN端子が付いて無いですからねw


さて、そんなこんなで猛烈に数を増やしているWi-Fiですが、使われている周波数帯の多くは2.4GHz帯となります。あまりに量が増えすぎて干渉が発生しており、場合により非常に不安定でつながりにくい状況が発生しています。

この周波数帯を13のチャンネルに分割して使用しています。14チャンネル目は日本独自の規格であまり使われていません。

2.4GHz帯チャンネル重複のイメージ

チャンネル数だけを考えると13の機器が同時に通信できそうですが、上のイメージのように周波数がかなりの部分で重複しています。お互い重複しない組み合わせは最大3チャンネルだけとなります。
すなわち完全に干渉を回避するためには3つのアクセスポイント(AP)が限界となるわけです。

現実に目を向けるとどうでしょう。私の部屋(集合住宅)で確認したところ6つのAPが見えています。完璧に重複していますね。
これが繁華街では10や20以上のAPが見えることがあります。同じSSID(APの名前)が複数見えることも珍しくありません。とにかくばら撒いてAP数を稼ぎたい某白い犬のWi-Fiが顕著ですw


さて、この重複している周波数でデータのやり取りを行った場合、どのような干渉が起こるのでしょうか。

Wi-Fiの場合、トランシーバーのトークボタンを同時に押したような、お互いの通信を潰し合うような干渉は起こらないシステムになっているそうです。回りで通信を行なっている機器がないことを確認しつつ、確認の為の通信を行い他のAPから通信を行なっていないという返事をもらうことでパケットを送信できるシステムだからだそうです。

ところがそれらの手続きがかち合ったりすると、それぞれのAPが寸時の待ちに入ることになります。すなわち大量のAPがある場所ではこれらの作業に時間を要して通信量が激減してしまうことになるのです。

これが今Wi-Fiの2.4GHz帯で起こっている干渉の状態です。


最近注目されている5GHz帯のWi-Fiでは独立したチャンネルが8つあり、状況が少しマシになっていると言えますが、それでも8チャンネルです。
一部で電波環境の汚染状態と呼ばれているWi-Fi、特に公衆無線LANの設置には事業者の皆さんの良識ある行動を期待したいところです。




【追補】
もっと詳しくは、僕が無線関係の師と(勝手に)仰がせてもらっている「無線にゃん」さんのブログがよろしいかと。
ちょっと難しいですが、興味のある方は下記リンクを頑張って読んでみてください。


「無線にゃん」無線LAN同士の干渉を考える
「無線にゃん」拝啓ソフトバンク様今すぐ無用なWiFiAP設置を止め密集AP間引きをしてください敬具











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